exhibition
主催/熊本県立美術館、熊本日日新聞社、RKK熊本放送、公益財団法人永青文庫
特別協力/熊本大学永青文庫研究センター
平成28年の熊本地震により被災した、熊本城大天守の外観修理完成を記念して、熊本城主・加藤家、細川家の「武」にまつわる歴史資料や美術工芸品を、主に熊本城との関わりに沿って紹介します。 加藤清正によって築かれた熊本城は、加藤家改易後に熊本藩主となった細川忠利によって整備され、明治維新を迎えるまで細川家の居城として用いられました。難攻不落の城づくりをめざし、度重なる改修によって強化された熊本城の防衛力は、明治10年(1877年)に勃発した西南戦争で、50余日に及ぶ過酷な籠城戦を耐え抜いたことにより、図らずも証明されることになります。 本展では、桃山時代の築城から、江戸時代の改修を経て、明治時代にいたる熊本城の歴史と、それをとりまく「武」の世界を、加藤家、細川家ゆかりの甲冑や刀剣と、城絵図や古文書をはじめとした歴史資料からたどります。また、菊池地域で活動した延寿派の刀剣と、肥後の豪刀・同田貫、肥後鐔をはじめとした刀装具の美をご紹介します。
《細川忠利書状》
寛永10年正月8日
永青文庫所蔵
(熊本大学附属図書館寄託)
《日の出老松図屏風》
伝矢野吉重筆
江戸時代前期
永青文庫所蔵(当館寄託)
《熊本城図》
江戸時代
《片鎌槍》
加藤清正所用 室町時代後期
東京国立博物館所蔵
Image:TNM Image Archives
《白檀塗蛇の目紋蒔絵
仏胴具足》
加藤清正所用 桃山時代
本妙寺所蔵
重要美術品
《太刀 無銘 伝左》
南北朝時代
名古屋市博物館所蔵
《黒糸威横矧二枚胴具足》
細川忠興所用 桃山時代
《脇差 無銘 伝備州長船盛光作 号 彫貫盛光》
細川忠興所用 室町時代中期
出水神社所蔵(当館寄託)
※藤本健八氏撮影
《脇差 銘 運有天敢莫退
晴思剣》
細川忠興所用 室町時代
島田美術館所蔵
■特別講演会
①「熊本城の普請史」
【日時】11月2日(土)13:30~15:00
【場所】本館文化交流室
【講師】鶴嶋俊彦 氏(熊本城調査研究センター 文化財保護主幹)
【参加費】無料
②「細川家歴代当主の甲冑と幕末維新期の熊本城」
【日時】11月23日(土)13:30~15:00
【講師】今村直樹 氏(熊本大学永青文庫研究センター 准教授)
※①、②とも事前申し込み制(定員120名)。詳細はこちら
【日時】11月10日(日)13:30~15:00
【講師】正海裕人 氏(刀剣研磨師)
【事前申込】事前申し込み制(定員120名)
■熊本県立劇場×熊本県立美術館コラボ企画
ミュージアムコンサート
【日時】12月1日(日)
①13:00~13:45 ②15:00~15:45
【場所】本館吹抜けホール
【事前申込】不要
「熊本城と武の世界」
【日時】12月7日(土)14:00~15:00
【講師】才藤あずさ(当館学芸員)
【事前申込】不要(当日受付先着120名)
【日時】11月24日(日)、12月8日(日) 14:00より
当館学芸員が展示作品について30分程度解説いたします。開始時間前に2階会場入口付近までお越し下さい。なお、ギャラリートークのご参加には観覧料が必要です。
特別展「熊本城大天守外観復旧記念 熊本城と武の世界」の展覧会図録、ご用意しております。作品のカラー図版や詳細な解説はもちろん、熊本城の普請に関わる歴史や政治・軍事的な背景、幕末維新期の熊本城と細川家の甲冑に関する論考や年表などを掲載。盛りだくさんの内容です。通信販売も対応しております。この機会に是非お求め下さい!
【仕様】 A4版 232ページ
【価格】 2,200円(税込)
【目次】
総論 熊本城の普請史 鶴島俊彦
プロローグ 熊本城の誕生
第一章 加藤家・細川家の武の装い
第二章 熊本城と武の備え
1 城の備えと管理
2 熊本藩の武芸
3 細川家の甲冑と刀剣
第三章 肥後の刀剣と刀装具
第四章 幕末維新の動乱と熊本藩の軍備
エピローグ そして熊本城は残った
《資料編》
特論Ⅰ 熊本城の普請開始時期とその政治・軍事的背景 山田貴司
特論Ⅱ 細川家歴代当主の甲冑と幕末維新期の熊本城 今村直樹
史料翻刻
「熊本城と武の世界」関連年表
日本刀用語解説
出品リスト
主要参考文献