1 日本および東洋の古美術
日本および東洋の古美術の分野では、古代から近世に至る熊本の美術・文化・歴史の流れを展望できるコレクションの形成を目指しております。具体的には、古代中世の絵画(仏画など)、彫刻(仏像神像)、工芸品(仏教工芸など)。近世の絵画(御用絵師、文人の作品など)、工芸品(八代焼・小代焼など陶磁器、肥後鐔などの刀剣刀装具、漆工皮革染織品)、書蹟墨蹟。加藤家細川家ゆかりの美術品。熊本の歴史・文化・美術を検証し、展望するために有効な資史料などです。
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矢野雪叟筆
《山水図屏風》(右隻)
安永5年(1776) |
葛飾北斎筆 《鍾馗図》
(今西コレクション)
江戸時代後期(19世紀前半) |
《瀬戸渋紙手茶入 銘 村雨》
(今西コレクション)
室町時代末~桃山時代
(16世紀) |
2 日本の近・現代美術
日本の近・現代美術の分野では、本県を代表する作家による作品を中心に、日本の近・現代美術史を体系づけるコレクション、および熊本の近・現代美術史を体系化しうるコレクションの形成を目指しております。本県ゆかりの作家としては、堅山南風、海老原喜之助、坂本善三、浜田知明、大塚耕二、野田英夫、野田哲也などの名前を挙げることができますが、今後は彼らの画業を日本の近現代美術史に位置づけるべく、関連作家による作品の収集にも力を入れております。
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堅山南風
《霜月頃》
大正2年(1912) |
海老原喜之助
《曲馬》
昭和10年(1935) |
浜田知明
《初年兵哀歌(歩哨)》
昭和29年(1954)
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3 西洋美術
西洋美術の分野では、①フランスの近代絵画、②西洋版画(古典~近代~現代)、③近・現代彫刻の作品を核に、西洋美術コレクションの体系化を目指しています。ルノワール、ブーグロー、ヴラマンク、ローランサンら近代フランスの画家たちの名作やロダンやマイヨールらの彫刻のほか、本県ゆかりの藤田嗣治(レオナール=ツグハル・フジタ)やパスキン、キスリングらのエコール・ド・パリの画家たちの傑作群は、当館の西洋絵画コレクションの基軸をなすものとなっています。西洋版画の収集にも重点を置いており、デューラー、レンブラント、ゴヤらの古典版画、ピカソやシャガールら巨匠たちの版画、そしてウォーホルやリキテンスタインなど20世紀アメリカ版画まで、5世紀にわたる欧米版画史を体系づけるコレクションとなっています。
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オーギュスト・ルノワール
《胸に花を飾る少女》
1900年頃 油彩・カンヴァス |
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー
《キューピッド》
1860年 油彩・カンヴァス |
アルブレヒト・デューラー
《メランコリアⅠ》
1514年
銅版画(エングレーヴィング) |